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トムラフード、食品加工業者と食品包装事業者に有益な デジタルトランスフォーメーションを提案

世界大手の光学選別機メーカーであるトムラリサイクリング、フード事業部は、食品加工業者や包装事業者にとって、いかに「デジタルトランスフォーメーション」が競争優位性をもたらすか、見解を公表しました。「デジタルトランスフォーメーション」はハイテク企業のためのもの、あるいはまだこれから未来のことであり、自分たちには関係のないものだと認識している事業者は少なくないのが事実ですが、すでに現場でその恩恵を受けている事業者は存在しています。

13 6月 2023

より大きな収益性を得るために

デジタルトランスフォーメーションとは、デジタル技術を活用してビジネスのあり方を変えるプロセスを意味します。デジタル技術とは、データを生成、保存、処理する電子ツールや自動化されたシステムのことを指し、これらの技術は急速な発展を遂げ、現在ロボット工学、ビッグデータ、人工知能、機械学習によるデジタルトランスフォーメーションの「第二の波」が産業界を席巻しています。

デジタル技術は、ビジネスプロセス、ビジネスのスピード、顧客との関係を向上させるだけでなく、食品加工業者や包装事業者にとって最も重要なのは、生産効率に劇的な変革をもたらすことです。

しかしデジタルトランスフォーメーションは、単に技術的なものではなく、文化そのもの、人々のマインドセットに変化をもたらします。企業は、もっとうまく工夫できることがあるはずだと認識し、目標とする改善を実現するためのデジタル技術に対してオープンマインドになるといった変化です。

デジタルトランスフォーメーションは、いわば旅であることを理解することが重要です。技術やソリューションは常に進化し、進歩が止まることはありません。例えば多くのデジタルソリューションは定期的にソフトウェアのアップデートを行うことで効果を発揮します。つまり、デジタルトランスフォーメーションは企業の将来性を常にサポートするものです。

変化の瞬間

デジタル技術の活用が広がる中、食品加工業者は変革の時を迎えています。最大の前進と言えるのは、手選別に変わる、自動選別機の導入です。自動選別機は、選別、等級付けされた製品に関する大量のデータを常に収集し、これまでないがしろにされていたこれらのデータはデジタル化によってアクセス可能になり、機械の稼働率、アップタイム、予知保全の必要性だけでなく、歩留まりや製品の品質など様々な要素について有益な情報が得られるようになります。

食品加工業者にとって製品の品質は最も関心の高い問題であり、経営上の最大の課題でもあります。投入された製品のバッジごとに品質に大きなばらつきがあるだけでなく、同じバッジ内でもばらつきがあることがあります。手作業によるサンプリングは製品のごく一部を調べるだけなので、本当の品質を見誤る可能性がありますが、自動選別機はすべてのデータから発見した不良品のデータを正確に収集します。

初の加工用デジタルツール

業界を牽引するトムラ・フードは、5年前からデジタルトランスフォーメーションを推進してきました。デジタルソリューションが効率的な生産を実現する重要な手段となること、そして経済的、環境的な理由から食品廃棄物の削減が喫緊の課題であることを理解し、トムラはお客様をサポートする最初のデジタル技術の基盤を構築するために尽力してきました。その結果、トムラのデジタルオペレーションセンター、技術サポートである「TOMRAリモートアシスト」、拡張現実ツール「TOMRA ビジュアルアシスト」、顧客ポータルとデータプラットフォーム「TOMRA Insight」が誕生しました。これは、トムラ・フードの自動選別機向けに人工知能とディープラーニングのソリューションを提供する基盤となっています。

トムラのデジタルオペレーションセンターは、選別機を遠隔でモニタリングし、異常な動作が観察された場合にお客様にフィードバックを提供することができます。さらに、TOMRAリモートアシストでは、トムラのサービスエンジニアがお客様の選別機にリモートでログインし、より迅速な技術サポートを提供することでダウンタイムをなくす、または短縮することができます。さらにTOMRAビジュアルアシストは、トムラのリモートエキスパートが、まるでお客様の選別機の前に立っているかのようにお客様やサービスエンジニアに専門的なサポートを提供できる使い勝手の良いアプリケーションです。これにより、様々な複雑な問題を遠隔で解決することが可能になります。

 

 

TOMRAビジュアルアシストには特別な機器は必要なく、カメラ付き携帯電話だけが必要です。トムラの専門家が現場の顧客技術者、またはトムラのサービスエンジニアに招待状を送り、セッションを開始させ、アプリを技術者やエンジニア、特定の問題の解決に最適なトムラのエキスパートとの通話にシームレスに繋げます。技術者やエンジニアは拡張現実の遠隔操作のためにスマートグラスの使用を選択することができ、ハンズフリーで選別機の作業を行うことができます。TOMRAビジュアルアシストは貴重なトレーニングツールでもあります。

クラウドベースのTOMRA Insightカスタマーポータルとデータプラットフォームはサブスクリプションで利用でき、選別機から自動的にデータを抽出し、わかりやすいグラフィックで表示します。選別機に投入された製品に関する情報はユーザーのパソコンのタッチスクリーンや携帯でリアルタイムに確認、対応でき、ライン効率と製品の一貫性を即座に改善することが可能です。さらに詳細なデータはレポートとして遡ってみることができ、これらを分析することでトムラとお客様はラインだけでなく、製品原料の供給においてもさらなる効率化を見つけることができます。経験や勘に頼るのではなく、正確かつ客観的なデータを元に、より的確な経営判断や戦略的判断を下すことに役立ちます。

効率化の事例

最初はデータが捉えにくいかもしれませんが、すぐに有意義なプロセスの改善につながります。

 

ここで、効率化を図った3つの事例をご紹介します。 まず、入荷不良が42%もあった加工野菜・包装センターの事例です。入荷するのはほとんどが契約した製品の検査基準を満たさない、サイズが短い野菜で、6日間で約1億5千万個もの規定の長さに足りない「短い」不良品が排出され、総重量1,250トンもの良品・不良品が廃棄されたことになりました。1トンあたり20ドルで販売可能な材料がわずか6日間で25,000ユーロの潜在的な収益を失うことになったのです。TOMRA Insightでこの問題に対処することで、選別機の前工程で新しい機械式のサイズ選別機の必要性を特定することができました。この事業者のTOMRA Insightへの投資は14日間で回収されました。

 

次は、生鮮野菜の加工業者で、TOMRA Insightを使用してベルト式光学選別機上に製品が平均して広がり、最適に選別しているかをチェックした事例です。2週間にわたるデータによると、ベルトの片側が過負担になっていたため、約900万個(総重量315,000キログラム)の製品が排出されることとなり、TOMRA Insightによると排出した製品内の良品率が10%であることが判明しました。TOMRA Insightで除去率をモニタリングし、必要なアクションを特定することで負荷を均等に分散させました。その結果、良品にもかかわらず、不良品として除去された製品を2週間で5,600ユーロ相当削減させることができ、年間145,600ユーロの収益を上げることに等しくすることができました。

最後の事例は、同じく生鮮野菜の加工業者で、製品内の不良品混入率は10%と予想されていたのに対し、TOMRA Insightで調査した結果、16%とかなり高いことが判明しました。この情報は選別機の設定に関するオペレーターのミス、選別機の清掃不足、選別機の技術的問題など、どこかに問題があることを示すフラグとなりました。この問題を探し、見つけ、解決することで、事業者は販売可能な製品のロスを8時間ごとに1,000ユーロ相当削減することができました。

これらの事例はデジタルトランスフォーメーションが食品加工事業者や包装事業者の生産性を高めることに貢献することを示しており、その未来はすでに始まっています。デジタルトランスフォーメーションは競争優位性を高め、競争力を維持するために不可欠な存在となりつつあります。