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トムラソーティング 世界におけるアルミニウム選別業界の展望についてウェビナーを開催

ドイツ2021年5月25日:世界大手の光学選別機メーカーであるトムラソーティングソリューションズの一部門であるトムラソーティング・リサイクル(以下、トムラ)は、「アルミニウム選別業界の展望 - 循環型経済における主要な選別技術、革新性と機会」と題した初の金属選別ウェビナーを開催しました。 45分間のライブセッションには、世界中から200名以上の参加者が集まりました。

08 6月 2021

 

トムラソーティング・リサイクルの金属リサイクル部門のセグメント・マネージャーであるトム・ヤンセンとテレンス・キーワースに加え、ゲスト・スピーカーとして、欧州アルミニウムの自動車・輸送部門のシニア・マネージャーであるパトリック・ラグナーソン氏と、アルトレードのコマーシャル・マネージャーであるエドワード・ジョージ氏が登壇しました。

 

ラグナーソン氏はセッションの冒頭で、欧州委員会(EC)が設定した厳しいCO2排出規制の影響もあり、電気自動車への移行が予測をはるかに上回るスピードで進んでいることを強調しました。現在の目標は、2021年のレベルを基準に、2025年に15%、2030年に37.5%の削減とされています。しかしラグナーソンは、最近発表された長期目標に合わせて、今夏にはさらに厳しい目標が導入されると予想しています。

 

ラグナーソン氏は、これらの目標を達成できない自動車メーカーには多額の罰金が科せられるため、あらゆる手段を講じてCO2排出量を削減する必要があり、そのために軽量化の重要性が高まっていると説明しました。また、自動車メーカーは、電気自動車などのゼロエミッション車や低公害車のさらなる販売促進に向けたインセンティブを受けていると述べました。

 

次にキーワースは、欧州におけるアルミニウムの需要が2050年までに約1,800万トンに増加する予想であることを示しました。これは2018年と比較して40%以上の増加で、自動車、建築、パッケージングの各分野で大きな成長が見込まれます。自動車分野では、自動車の軽量化が重要な推進力となり、建設分野では、欧州グリーン・ディールに対応するために、よりエネルギー効率の高い建物に注目が集まるでしょう。また、包装業界では、飲料用アルミ容器の回収・リサイクル率の向上が求められます。これらすべての要因が、再生アルミの需要拡大につながります。

TOMRA_Segement Managers Tom Jansen, Terry Keyworth and host Michèle Wiemer

続いてヤンセンは、欧州アルミニウムビジョン2050で掲げられたアルミニウムのリサイクル率向上という目標を達成するために重要な役割を果たす、アルミニウムスクラップの最新選別技術の概要を説明しました。ヤンセンは、ゾルバ、トゥイッチ、シュレッダー加工されたアルミニウム・プロファイルやシートなど、様々な種類のアルミニウムスクラップを選別し、アップグレードするためのX線透過(XRT)技術の進歩を強調しました。また、X線透過法で選別された高品質のアルミスクラップを使用することで、再溶解業者にとって、品質の安定、エネルギー消費量の削減、炉の清掃回数の削減、生産性やタップ・ツー・タップ・タイムの向上などのメリットがあることを強調しました。

 

また、あるアルミニウム再溶解業者がXRT技術を導入した結果、再溶解に使用するポストコンシューマースクラップの量が25%から50%に増加し、年間150万ユーロの利益増加につながったという例を挙げました。同時に、この再溶解に必要なエネルギー消費量は6%削減され、生産性が2%向上し、100万ユーロの収益増となりました。

 

トムラのX-TRACT X6 FINES選別機は、高解像度のセンサーを搭載し、標準のXRTバージョンよりも鮮明なX線画像を提供し、銅線などの小さくて薄い物体をより高い精度で選別することができます。ヤンセンはまた、アルミからマグネシウムとアルミ混合軽量材を除去することで、よりクリーンなアルミ片と安定した品質の加工材料を作ることができるトムラのマグネシウム除去用X-TRACTユニットについても説明しました。

 

キーワースは、アルミ業界全体で、新製品に使用されるリサイクルアルミの量を増やす必要があることを強調し、欧州アルミニウムビジョン2050レポートで示された低炭素ロードマップを達成するために、アルミのリサイクル率を高める上で、センサーベースの技術が重要な役割を果たすことを繰り返し述べました。

TOMRA_Panelists at Q&A

2人目のゲストは、英国のアルミリサイクル専門企業であるアルトレード社のコマーシャル・マネージャー、エドワード・ジョージ氏です。アルトレード社のビジネスの70%はアルミニウムの押出成形、30%はアルミニウムの缶から缶へのリサイクルであり、材料を選別、洗浄した後、再びアルミニウム缶にするために世界中の再溶解業者に販売しています。

 

ジョージ氏は、窓、ドア、カーテンウォールに使用されるアルミニウムの熱的、紫外線的、審美的な利点を利用して、建築分野における住宅用および商業用のアルミニウムの需要が増加しているとみており、センサーを使った選別技術が、アルトレード社の処理方法をどのように変えたかを説明しました。アルトレード社は、トムラのX線技術を使用することで、解体された建物や交換用の窓やドアから発生する月間100トン以上の廃棄物を処理できるようになりました。これらの廃棄物に含まれるアルミニウムには、銅、真鍮、亜鉛などの金属が含まれており、従来は手作業で分離していましたが、現在はX線技術を用いて、高純度のプレコンシューマーおよびポストコンシューマーのアルミニウムスクラップに対する世界の窓製造分野からの高い需要に応え、完全なクローズドループのリサイクルソリューションを提供しています。

 

ウェビナーの様子、プレゼンテーションはこちらからご覧いただけます。https://solutions.tomra.com/en/en/metal-webinar-recordings

 

トムラは、2021623日に開催される「Greener Aluminium Online Summitに参加します。 テレンス・キーワースはこのイベントでプレゼンテーションを行います。