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トムラソーティング、専門チームを結成し 木材リサイクル分野でのビジネスを強化

木材部門に特化したチームを持つ初のセンサー式選別ソリューションプロバイダーとして、 業界向けの技術およびプロセス改善コンサルティングを通じて、廃木材リサイクルの発展を推進

07 4月 2022

世界大手の光学選別機メーカーであるトムラソーティング(以下、トムラ)は、昨年ディープラーニングを用いた木材の種類別選別アプリケーションを市場に投入し、このたび木材部門に特化したチームの設立を発表しました。体制を強化し、センサーを用いた最先端の選別技術と、木質ボードメーカーとの強固なパートナーシップにより、廃材の有効活用とリサイクルを推進し、新たな可能性を切り拓きます。トムラは、新たに任命したセグメントマネージャー、業界に精通したエキスパート、廃木材アプリケーションのスペシャリスト、およびサービスキーアカウントマネージャーとともに、廃木材のマテリアルリサイクルを迅速に実現し、木質ボード業界においてリサイクル率を高めるために戦略的に投資しています。


廃木材リサイクルの新たな可能性
現在、廃材のリサイクルの主な用途はパーティクルボード製造です。木質ボード業界は、リサイクル材の含有量を増やすことで非常に強い市場の需要に応え、製品の品質を向上させることを目指しており、結果としてメーカーに2つの利益をもたらしています。リサイクル材は生木に比べて最大で40%安く、一般的に乾燥しているため、ボード製造の乾燥工程でのエネルギー消費量が大幅に削減されます。

トムラの木材セグメントマネージャーであるJose Matasは、「現在の市場の発展は、木質ボードメーカーに大きなチャンスを与えています。高品質なリサイクル材を使用することで、優れた品質の木質ボードを生産し、より高い歩留まりと生産量を達成しながら、大幅なコスト削減、天然資源の保護、CO2排出量の削減で利益を得ることができます」とコメントしています。


 

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木材廃棄物をリサイクルする利点や市場動向にもかかわらず、インフラの不足がこの分野の発展を妨げています。中欧では廃棄物の収集からリサイクル、再利用までの管理が成功しているのに対し、中欧以外の廃木材市場はまだ初期段階にあり、現在の市場を見ると、セグメントの成熟度と成長の機会にかなりの差があることがわかリます。例えばイタリアでは、年間約200万トンの廃材が回収され、そのうち63%がリサイクルされ、木質ボードに加工されています。その結果、年間約200万トンのCO2が削減され、同国の環境保護にプラスの影響を与えています(*1)。イタリアの廃材回収・リサイクルシステムの高さに対して、EU加盟国とアメリカだけでも約1億トンの廃材がリサイクルされないまま放置されています(*2)。この数字は、廃材を効果的に回収・分別し、リサイクルするための総合的な資源システムを導入することで、未開拓の機会が生まれることを示しています。

センサーを使った高度選別
リサイクル率を高め、持続可能な木材管理を推進するため、パーティクルボードメーカーは、投入から高純度な材料を回収するための最適化されたプロセスと高度な技術が必要です。したがって、リサイクル業者とパーティクルボードメーカーは、市場の需要に追いつき進化するために、新しい選別技術に投資することが求められています。最新の選別技術は、廃棄物組成の変化、高まる純度要求、単一素材の回収といった要求に迅速に対応します。リサイクル工場や生産工場に木材選別ソリューションを組み込むことで、複雑な混合品から非加工木材と加工木材を分別が可能となり、高純度な材料を使用して高品質のパーティクルボードを生産することができます。

 


理想的なソリューションは、不活性物質や金属を除去する高処理装置と、廃木材を異なる材料グレードに分離するディープラーニング技術の2つを統合した最新鋭の光学式選別機です。2012年以来、トムラは廃材を高純度のウッドチップに選別しています。トムラのX線透過式の選別機X-TRACTにより、リサイクル業者やパーティクルボードメーカーは、不活性材料、金属、ガラスなどの不純物を取り除き、二次原料としてふさわしい高純度な材料回収を実現することができます。製造基準を満たす再生木材を作る際には、複合材やプラスチック材を含む様々な木材ベースの材料を正確に検出し、単一素材に分離する必要があります。木質ボードの製造において、バージン材の代わりに使用できるのは、最高品質の木材チップ製品(非加工木材である木材A)だけであり、新たな解決策を見出す必要がありました。トムラは、ソリューションの進化と最適化を常に追求し、業界エキスパート、アプリケーションエンジニア、ソフトウェア開発者からなる社内チームが協力して、木材チップを種類別に分類するディープラーニングベースの新しいアプリケーションを開発しました。高性能な近赤外線選別機AUTOSORT®の追加機能として提供されるディープラーニングを活用した選別技術GAINは、非加工木材と加工木材を検出、分析、分別するように設計されており、さらに、加工木材の中からMDFを識別し、完全に分離することで、高品質なパーティクルボードやMDFボードの製造に使用できる最高品質の木片を生成することができます。トムラの機械、センサー、ソフトウエアは自社で開発されたものであるため、ユーザーはニーズに合致した機械と高性能なシステムによって、全体の収量と利益を増加させることができます

 

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トムラのグローバルセールス&マーケティング責任者であるFabrizio Radiceは、「トムラは、循環型廃棄物管理に強くコミットしています。このたび、豊富な経験と深い知識を持つ専門チームにより、木材分野にも注力できるようになったことを嬉しく思います。このチームの専門知識と当社の最新技術を組み合わせることで、リサイクル業者やパーティクルボードメーカーが市場の要求に応え、環境への影響を最小限に抑えながら事業の可能性を拡大できるよう支援します。今後数年間、私たちはこの成長分野に多くの投資を行い、ある企業の廃棄物が別の企業にとって貴重な資源となることを目指し、私たちは、この循環型廃棄物管理が一般的になることを支援します」とコメントしています。